「話す」は「手放す」に繋がる
心の中にあるものを外に出す=「話す」ことは(重い気持ちを)「手放す」ことに通じます。
思考を整理し、SOSを出しやすくするために非常に重要です。辛さを理解し、共感してあげたいところですが、デリケートな状況に対して何がNGなのか分からず、困るという方も多いでしょう。
「うつ病=励ましてはいけない」とはよくよく言われることですが、声のかけ方を正しく理解すればよいのです。
どんな言葉なら届くのか?話を聞くとは何なのか?
此処での軸が「共感」「傾聴(耳を傾ける)」「ねぎらう」の三つです。
スタンダードな声のかけ方としては、まずは「どうしたの?」「疲れているのかな」「心配ごとある?」「不安な部分があれば教えてほしいな」などがあります。
具体的な「焦り」「苛立ち」の大元を一緒に見つけていく方向です。
お節介は良くないといわれますが、声をあげるのは非常に重要です。では、その上で普段のコミュニケーションと違う部分を挙げるとすると、「否定の禁止」です。
「違うじゃん」「それって……では?」と思ってしまう気持ちもわかるのですが、こういうときは、まず聞く側に回りましょう。否定を排除した「特殊なコミュニケーション」だと思って、否定はせずひたすら話を聞く側に回ります。具体的に悩んでる部分がないか、気にかかる部分がないか……紐解くことで人間は楽になるものなのです。
次いで効果的なのは「ねぎらい」です。「頑張っているもんね」「頑張ったんだね」「大変だったね」「おつかれちゃん」などなど……ねぎらう言葉を普段から沢山ストックし、使えるようにしておきましょう。
心に不調が出る方には、一生懸命で真面目な人が多いのも特徴です。しんどさを理解して、ねぎらう……相手も自分を否定しないことは非常に重要になっていきます。
反対にNGワードもあります。「違う」「だめ」という分かりやすい言葉以外にも、例えば「忙しい状況なんだから当たり前でしょ」「甘えないで頑張って」などの言葉も要注意。現状が悪くなることはあっても、よくなることはありません。たとえ、優しい声をかけるのは厳しい状況でも、一旦叱咤の言葉は避けて、まず状況を把握するように努めること……何がひっかかっているのか、厳しいのか、具体的に話ができる姿勢に持っていくことが大切です。