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身近な人に看護・介護が必要になったとき、みなさんはどこに相談しますか?
総合的な相談先として、主治医の所属機関を問わず、活用できるのが「訪問看護ステーション」です。
その地域に開かれた独立した事業所である「訪問看護ステーション」に、黎明期から関わり、自ら起ち上げた「桂乃貴メンタルヘルスケア・ハートフル訪問看護ステーション中目黒」で、自分自身も看護に当たるのが渡部貴子さん。
自らの経験を元に、介護や看護で困っている方への質問・疑問に答えてもらうのがこの連載です。第12回目は、「長期休暇後、調子が悪そうな同僚への声かけ」についてです。
(構成:野辺五月)

前回「介護や看護に困ったら【おとなの相談室】11」はこちら

鬱のシーズンが到来

Q:最近同じチームの同僚が心配です。ぼーっとしていることが目に見えて増えており、疲れているように感じるのですが、声をかけていいものでしょうか。もし精神的においつめられているようだったら、「大丈夫?」と言ってはいけない、と聞いたこともあります。

何かできることはあるでしょうか。アドバイスお願いします。

A:声をかけてあげることは、とても良いことだと思います。難しい場合は誰か他の人からでも構いませんが、本人が思いのたけを吐き出せる場所になれそうならば、「聴く」努力によって救われる場合もあります。 

実は、春は一番うつ病になりやすい季節と言われています。

特に3、4月から環境が急に変わることが原因とされていますが、侮れないのは5月です。五月病とは、就職や入学など新年度の始まりと長期休暇明けの、心身の不調を指す言葉で、実際の病名ではありません。よくあがる症状としては、何となく気分が乗らない、無気力が続く、もやもやするなどメンタルの部分や、疲労感や倦怠感、食欲不振や不眠、胃腸の不調など多岐にわたります。

「うつ病は心の風邪」と言われるときもありますが、長引けば自殺のリスクがあがるなど簡単ではない一面もあります。一方で、日本におけるうつ病患者数は過去数年で大幅に増加しており、その数は約4倍に達している事実も……。すぐそばにある病気でもありますが、正しく知って、正しく関われば、備えられる病気でもあるのです。そこで今回は大型連休明けに向けてどうしていくべきかをお送りします。
どこからうつ病を疑った方がいいのか? 自分も周りも注意出来る範囲とは?

詳しく知りたい方は専門機関を利用していただきたいところではありますが、まず一般的な目安を見ていきましょう。