お宝があるから泊まりたくない家
その2日後の夜、70歳で一人暮らしの友人から電話があった。
彼女には、70代後半のA子さんという友人がいて、ご主人が亡くなり3ヵ月がたち、「自分も一人暮らしになり寂しいから、泊まりに来て欲しい」と言われ、泊まりに行ったのである。
友人は、「独身で年金暮らしの私には、旦那の素晴らしさや財産を自慢されているみたいで、すごく嫌だった」と、言うのである。
A子さんは、ご主人が生前から相続のことを考えてくれ、A子さんに家と金銭を残してくれたことを話した。問題はその後だった。
A子さんは、「主人がこれを全部買ってくれたのよ」と、大きな宝石箱を出してきて見せたのである。金のネックレス、宝石が輝く指輪、高価な腕時計などがそこにあった。
買取店の人が見たら、高価買取をしてくれるのが間違いなしの品々だ。
友人は、「何かなくなったら、泊まった私が盗んだと疑われる。もう泊まりに来ないわ」とA子さんに言ってしまったそうだ。すると、A子さんから「息子夫婦が来月から一緒に住むから大丈夫」と言われたのだ。
そして友人は、「あなたが買取店に行った時のことを彼女に話したら、彼女は爆笑していたわ。私も聞いた時は笑ってしまったけれど、気にしていたらごめんね」と言われた。