体に優しい素材「絹」

着物の代表的な素材といえば“絹(シルク)”ですが、昔から、絹の着物作りに携わる女工さんのお肌はきれいだと言われてきました。

そして現代では、それが単なる言い伝えではなく、科学的な裏付けがあるものだという認識が広がり始めています。

絹を作るには、まず蚕が作った繭から糸(生糸)を繰ります。この生糸は人の髪の毛よりも細いので、数本をまとめて、撚って1本の糸を作り、その糸で生地を織り成します。

この生糸は、セリシンとフィブロインというたんぱく質から成っています。

セリシンには、紫外線、活性酸素、雑菌、化学物質、高温多湿の環境から繭を守る効果が、フィブロインには、保温、吸放湿性、細胞再生、ガス吸湿性、角化健全化(皮膚のターンオーバーを正常化する)作用などがあるとされています。

女工さんの肌の美しさは、おそらくこうした特徴に由来しているのでしょう。