日本人と着物の歴史

そもそも太古の昔から、人類がまとってきた衣服。歴史を振り返れば、日本人の着てきた衣だけでも実は多くの変遷があります。

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その変遷の中で、生地を四角形に切って、縫い合わせ、それを体に巻き付けて着るという「直線裁ち」を着物の特徴と捉えるなら、我々は弥生時代には着物という衣を考え出して着ていたことになり(貫頭衣)、その歴史は2000年にも及ぶことになります。

それが敗戦後に欧米化が進み、洋服の生活に変わっていくなか、わたしたちは過去の日本的な価値観、文化から距離をとるようになりました。

しかし、そもそも欧米と日本では風土が異なります。そして湿度の高い日本の風土と、そこで暮らす日本人に適している衣を考えれば「洋服」よりも断然「着物」だと私は考えています。