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生活の欧米化と共に、今では着る機会が激減した着物。着物と距離が生まれた理由の一つに、「着るのが大変」「大変で苦しそう」というイメージがありそうですが、山陰地方で呉服店・和想館を経営する和と着物の専門家である池田訓之さんは、「着物を着るのはそこまで大変ではなく、そして本来苦しいものではない」と話します。着物の心地よさと、秘められたメリットについて池田さんに解説いただきました。*医療情報監修:芝千太郎さん(本名:森川由基。医学博士、芝流舞踊療法研究所・家元付師範、もりかわ在宅ケアクリニック楠・院長)

着物で身体も軽やかに?

飽食の時代である現代、ついつい食べ過ぎて、気づけば動くのが苦しい状態に…。

そんな日々の中、ダイエットに取り組んでいる方も少なくないと思います。

実は着物には、「着ていると痩せやすくなる」効果があると言われています。これは決して眉唾の話ではなく、学術的な裏付けのあるもの。

たとえば、日本着物学会会長で京都大学大学院医学研究科健康情報学講座の高橋裕子特任教授が実施した、着物着用群240人(平均年齢50代)を対象とした「着物着用による身体的・心理的影響の検討」に関する科学研究費助成事業において、国民健康・栄養調査による一般的なBMIの数値と、着物着用群のBMIの数値を比較したところ、着物着用群、特に40代から60代の方のBMIの数値において<明らかに低い>という結果が得られたそうです。