「生理的口臭」と「病的口臭」

もし口臭が「ゆで卵」に近い臭いの場合は「生理的口臭」です。

この臭いの原因はベロの表面に溜まっている口臭菌が出す「発揮性硫黄化合物」なので、ベロの表面をキレイすると瞬時に臭いは消えます。市販の舌ブラシを使用して、ブラシで舌の奥から手前に擦り、ベロの表面の汚れを取ってください。

またこの場合は歯周病が始まっていないので、むし歯対策を中心としたオーラルケアグッズを選ぶと良いでしょう。歯ブラシは毛先が丸くなって長さが揃っている「ラウンドタイプ」を選び、歯磨き粉は歯を強化する「フッ化物」が配合された物を使用してください。

他方、口臭が「台所の三角コーナー」に近い臭いの場合、歯周病などを原因とする「病的口臭」の疑いがあります。

口臭の元は「メチルメルカプタン」という物質なのですが、これは日本の法律では「毒物」に指定されています。ご存知のように、毒物は資格なく勝手に持ち歩くことはできません。そしてこの「メチルメルカプタン」の毒性は「酸性ガス」に匹敵します。

つまり、歯周病を介して、口の中に危険物質が発生していることになるので…放置せずにしっかりと対策をとることが大切になります。

この場合は歯周病対策のオーラルケアグッズを選んでください。歯ブラシは毛先が尖った「テーパードタイプ」が適していて、歯磨き粉は歯周病菌が潜む菌膜に浸透する「IPMP(イソプロピルメチルフェノール)」が配合された物がお勧めです。歯磨きの前に「CPC(塩化セチルピリジウム)」含有のうがい薬でうがいをしておくと、お口の中に飛び散っている菌が除菌できて、より効果的です。

ただし、歯周病そのものはどんなケアグッズでセルフケアを行なっても治すことはできません。歯周病の疑いがあれば、直ぐに歯科医院で治療を受けましょう。