“最恐の菌”に日本人の半数が罹患?
なお歯周病は「世界で最も蔓延している感染症」として、2001年にギネス世界記録で認定されました。
日本人の場合、その半数が歯周病を発症している(厚労省の発表)とされる一方、たとえばアメリカ人は35%と日本より少ない。こうした状況から、歯周病は「日本人の国民病」と呼ばれる事もあります。
代表的な歯周病菌として「ジンジバル菌」が挙げられますが、これらの中にも種類があり、毒性が高いものは、低いものの44倍以上に。高い方の菌を研究用マウスの体内に注射すると、臓器が侵され、数日の内に死んでしまうほど非常に強い毒性を持ちます。
このように「最恐の菌」とでも呼べそうな歯周病菌ですが、歯周病を発症していても、自覚することが簡単ではないのが厄介なところ。
歯周病菌はその毒性で歯ぐきの神経を萎縮させて麻痺させるので、多少歯ぐきが腫れても、もしくは歯がぐらついても、それだけでは痛みが認識できない状態にしてしまいます。
またその毒性は鼻にまで及び、嗅覚を麻痺させてしまうので、歯周病を原因とする口臭があっても、なかなか気づくことができない。
実際、歯周病の患者さんに「あなたは歯周病です」と伝えても自覚症状がないため、受け入れようとしない方がたまにいらっしゃいます。それでは治療を行えないので、結果的に歯周病は放置され、末期状態を迎えることに…。