脳梗塞、心筋梗塞、動脈硬化などの原因に
お口の二大疾患である「むし歯」と「歯周病」はどちらも病名に「歯」がつくこともあり、<歯に特化した病気>だと連想する方も多いかもしれません。
確かに「むし歯」はむし歯菌により歯が侵される病気で、「歯周病」は歯周病菌により歯ぐきが被害を受ける病気ですが、最近の研究で、いずれの病気も全身へ影響を与えることが明らかになりました。
歯周病菌が攻撃した結果、歯ぐきは歯周病菌から逃れようと、自ら歯ぐきと骨を退縮します。その結果、歯を支えられなくなり、抜けることに。一方で歯周菌は歯ぐきに侵入した後、その場にとどまることなく、毛細血管にも侵入。血管を通って全身を駆け巡ります。そして到達した先で悪さをし、健康状態を悪化させるのです。
たとえば、歯周病菌の毒性は血管の内壁に傷を付け、慢性の炎症の原因を作ります。血管を修復する際にカサブタの様な物を作るのですが、これを繰り返すとカサブタが厚くなり、血管の内側サイズが次第に細くなっていく。
そこに血栓が飛んでくることで血管が詰まります。これが頭で起こると「脳梗塞」、心臓で起こると「心筋梗塞」になるのです。またカサブタを繰り返す中で、血管が硬くなり「動脈硬化」にも至ります。
フジテレビの情報番組「サン!シャイン」(2025年4月9日放送)では、歯周病に罹患すると「脳梗塞リスク約2.8倍」「認知症1.7倍」「糖尿病2.0倍」と報道されていました。