安心・安全な住まいに

モノを大事にするシニア世代は、「いつか何かの役に立つ」と、段ボールや空き箱、スーパーのレジ袋、紙袋、新聞紙などを取っておきがち。それらが収納スペースから溢れたり、置く場所が決まっていなかったりした結果、床に《とりあえず》置いたままになっていないでしょうか。

ストックしたいモノは収納場所を決め、そのスペースに入りきらなければ潔く捨てるというルールを決めましょう。また、段ボールは害虫の温床にもなりやすいので、取っておかずに捨てることをおすすめします。

次に、「リビング/寝室」「台所」を片づけていきましょう。私が片づけをお手伝いしているなかで感じるのは、若い頃やその家に住み始めた時から、モノの収納場所や収納方法を変えていないご家庭が多いということ。

しかし加齢によって、あちこちの部屋に取りに行ったり戻したりするのが面倒になるうえ、手を伸ばしたり持ち上げたりする上下の動きが負担になってくるため、今の暮らしに合った収納に変えていくことが重要です。

とはいえ、すべての収納を一から見直す必要はありません。次のページで紹介する「片づけの3ステップ」は、自分に必要なモノを、無理なく使いやすく収納するための方法です。ステップ1と2で、今の暮らしに必要なモノを選び出したら(整理)、ステップ3で使い勝手のいい場所に置く(収納)。これだけで、無駄な動きが減り、快適に暮らせるようになるでしょう。

そうして「必要なモノ」が明らかになれば、おのずと「不要なモノ」も可視化されて手放しやすくなります。

片づけが進むと、転倒予防はもちろん、探しモノが減って時間が有効に使える、同じモノを買ってしまうことが減り節約になる、掃除や料理など家事がラクになるなどの効果も得られるでしょう。

さらに介護が必要になった際も、部屋が片づき、必要なモノがわかっていれば、自宅での介護がスムーズに受けられる。また、高齢者施設などへ移り住む時も、引っ越し作業に手間取らずに済むはずです。