大相撲に番付がなければどうなる?

大相撲では横綱を頂点に、大関、関脇、小結、前頭、十両、幕下、三段目、序二段、序ノ口と階級が分かれ、前頭以下には筆頭から2枚目3枚目……とそれぞれの階級にも細かい順位があります。

大相撲の15日間は、翌場所の番付を決めるために開催されます。つまり、私たちは大相撲の取組を観て盛り上がりますが、それは次の番付が決まっていく過程を観て楽しんでいるわけです。

『大相撲中継アナしか語れない 土俵の魅力と秘話』(著:藤井康生/発行:東京ニュース通信社、発売:講談社)

大相撲に番付がなければどうなるのでしょうか。トーナメント方式で優勝を争うのもいいでしょう。勝ち抜き戦として何人連続で破ることができるかを競うこともできます。部屋別対抗や出身地別対抗のような団体戦も考えられます。

しかし、どんな競技方法であっても、力の差がありすぎる対戦では興ざめです。横綱と入門したばかりの序ノ口力士が100回対戦すれば、間違いなく横綱の100連勝です。そんな対決を観ても、競技としての面白さはありません。ある程度、実力が拮抗した力士同士が戦ってこそ興味が膨らみます。