力士個々の現在の強さをわかりやすく示してくれる
横綱という地位が明文化されるまで最高位であった大関は、2場所連続で負け越すと関脇に陥落します。しかし、関脇に下がった場所で10勝以上すれば大関に戻れるという特権があります。関脇以下は、成績次第で毎場所昇降があります。
大相撲を観戦する私たちに、力士個々の現在の強さをわかりやすく示してくれるのが番付です。時代によって、1人の横綱の実力が抜きんでていたり、あるいは横綱や大関がそれぞれ3人も4人もいてまさに「群雄割拠」であったりと様々です。
その中で、強い力士を倒しながら地位をつかみ、出世していくのが大相撲です。大相撲ファンは、そこに期待と楽しみを見出します。番付は大相撲になくてはならない存在です。力士が出世していくことを「番付を上げる」と言います。
※本稿は、『大相撲中継アナしか語れない 土俵の魅力と秘話』(発行:東京ニュース通信社、発売:講談社)の一部を再編集したものです。
『大相撲中継アナしか語れない 土俵の魅力と秘話』(著:藤井康生/発行:東京ニュース通信社、発売:講談社)
大相撲アナとして、1988年から2022年まで本場所中継を担当した元NHKアナウンサー・藤井康生。
昭和・平成・令和にわたって角界を見守ってきた唯一のアナウンサーだからこそ語れる、大相撲の魅力とその秘話を余すことなく紹介。