子どもの覚悟を理解する
幸せぐせがAと聞いて、「我慢するしかないのか」とがっかりする前に、息子夫婦の心情を想像してみましょう。同居を提案するまでに夫婦間で相当話し合いがされたはず。とくに息子の妻にとって、義理のお母さんとの同居がどれほど面倒か、読者のみなさんなら痛いほどわかるのではないでしょうか。それでも同居を提案してきてくれたのですから、息子夫婦にはかなりの覚悟があったと言えます。部屋が多数ある広い家ならいざ知らず、親のために部屋を空けたり、生活のリズムを変えたり……。息子夫婦は自由を手放しても母親と一緒に暮らすことを選択してくれている。そんな息子夫婦への感謝もなく、どうにも「居心地が悪い」だなんて、失礼ながらわがままではないでしょうか。息子夫婦とて、どこか居心地の悪さを感じているはず。お互い様です。時間をかけて、同居に馴染んでいくことが大切でしょう。
もちろん、ひどいいじめや虐待があるとか、最初から親の年金をあてに同居を提案し、お金を巻き上げているというなら話は別です。すぐに家を出るべきでしょう。ただ、そんな息子に育てたのは親である自分だということも忘れてはなりません。「いじめられているわけではないけれど、すごく大事にされている感じもないのよね。なんとなく居心地が悪くて」などというのはただのわがまま。昔の人ならそんなグチを聞かされたら、「お大尽じゃあるまいし」と一喝することでしょう。
では居心地の悪さに耐えるしかないのかと言えば、そこは視点を変えるのが幸せぐせです。家にいて落ち着かないなら、長くいなければいい。我慢は多少必要ですが、その時間をなるべく短くするのが得策でしょう。例えば、お友だちを作ったり、趣味を見つけたりして、外に出る時間を増やしてみてはいかがでしょうか。息子夫婦に感謝しながら、自分でもできるかぎり努力をするのが幸せへの道。