スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』での連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第41回は「高齢になり息子夫婦と同居したものの居心地が悪い。同居を解消したいが……」です。
Q 高齢になり息子夫婦と同居したものの居心地が悪い。同居を解消したいが……
A)我慢しつつ、ほかに楽しみを見つける
B)たとえ生活を切り詰めても、ひとり暮らしに戻る
同居前にとことん考えて
高齢になると、元気なときは良くても、ひとたび病気やけがに見舞われたときは急に不安になるものです。そうでなくても同世代の友人が入院した、施設に入ったといった話を聞けば、自分の身に置き換えて「いつまでひとり暮らしでがんばれるかな」と心細くなったりもするでしょう。
そんなとき、離れて暮らすわが子から「お母さん、一緒に暮らさない?」と提案されたとする。「心優しい息子に育ってくれて嬉しい。お嫁さんも『どうぞ』と言ってくれるし」と幸せな気分で話を進め、同居。ところがしばらくして居心地の悪さを感じ始めたというのが今回のケースです。
考えてみれば、気ままなひとり暮らしとは打って変わり、常に誰かがいる生活ですから居心地が悪いと感じるのも当たり前。トイレにも長くは入れないし、お風呂に入る時間や順番にも気を使うでしょう。自分の個室が家族の気配のする場所であれば、「あ~、疲れた」と独り言を発してくつろぐことすら、憚られるかもしれません。部屋が狭ければ、日がな一日籠もっていると気が滅入ってきます。
ただ、こうした想像は同居をする前にすべきこと。先のことを考えたうえでも同居をしたいか、とことん自問自答しなければならなかったのです。ですから、今回の幸せぐせは、A。「同居を我慢しつつ、ほかに楽しみを見つける」です。残念ながら、想像や考察が不十分だったようですね。とはいえ、今の状態からでも、選択次第で幸せな未来は待っています。