愛嬌があるばいきんまん
ばいきんまんは悪役だけれど、ある面では愛嬌があるんです。よく変身して登場しますが、みなさんがご覧になると、一見してばいきんまんが変身していると分かるような変身の仕方なんだよね。
例えばジャムおじさんに変身すると、一目でばいきんまんが変身していると分かるのに、みんなが「あ、ジャムおじさん」と騙されてしまう。なんで分からないのか、作者のぼくが何回見ても不思議なくらいです。
アンパンマン側の人は人が良いのですね。そういうところが物語としての一種の面白さでもあるけれど、これは実は、現実の世界でも同じことがあるのです。
現実の世界のばいきんは、生活の中にたくさんいます。ばいきんのせいで病気になることだってよくあります。誰だって病気にはなりたくないから、はじめから病気になると分かっているような、ばいきんがたくさんあるところへは誰も行きません。
でも、ばいきんは、一目見てすぐには分からない。「しまった、あの時にうっかり」と思うような時に病気になります。
ばいきんまんを登場させた時にそこまでの意味を考えていたのではないですが、現実もそうだということなのです。