見苦しい姿は見られたくない
都内に暮らす野本恵子さん(55歳・主婦、仮名=以下同)は、50歳のときにワキの永久脱毛に思い切って挑戦した。
「学生時代、オリンピック出場を目標に、水泳に打ち込んでいたのです。でも夢は儚く破れ、社会人になって以来、水泳から遠のいていました」
その後、野本さんは25歳で寿退社。翌年に長男を、28歳で次男を出産する。
「出産後は余裕もなく、子育てに追われる毎日。早く自由に使える時間がほしいと思っていたのに……。息子たちが独立した途端、ポッカリ心に穴があいたような虚しさに襲われてしまって。いわゆる空の巣症候群だったんです。そんなとき、昔の水泳仲間から『一緒に泳がない?』って誘われて、気分転換のつもりではじめることに」
すると学生時代の感覚をすぐに思い出し、水泳に夢中になったという野本さん。昔とった杵柄か、めきめき頭角を現す。ほどなくして大会に出場しないかとコーチに勧められ、週に3回スイミングスクールに通うようになった。
「そうしたら、ワキ毛の処理が気になって。昔から、水着を着たときのワキ毛が気になってはいたんです。でも、オリンピックを目指していた学生時代は、30万円くらいかかるうえに、泣くほど痛いと聞いたから諦めました。それが今はずいぶんと手頃な価格で施術できるようになって、びっくり。2年ほどかけて数回サロンに通い、合計3万円くらいで両ワキの脱毛ができました。技術が進歩したのでしょう。痛みもさほど苦になりませんでしたよ。もう気持ちもスッキリ、泳ぐことに集中できています」
ワキ毛の脱毛は、野本さんに思わぬ効果をもたらしたという。
「脱毛したら、嘘のように首や肩のこりがなくなったのです。私は肌がカミソリ負けしてしまう質なので、ずっと毛抜きで一本ずつ抜いていました。そのときに無理な姿勢をしていたのが、肩こりの原因だったみたいです。そういえば目の疲れも取れたような気がします。若い頃は難なくやっていたことができなくなるんですよね、この年齢になると。経済的にも時間的にも余裕のある50代以降が、“脱毛適齢期”なのだという気がします」