大会に出る同年代の仲間内でも、永久脱毛は常識だという。

「シルバークラスの大会には、私よりずっと年上の80代の女性が数人出場しています。私もその女性たちのように、あと30年近く泳ぎ続けられるかもしれない。そう考えたら、ムダ毛の脱毛をする価値が十分にあるね、と同年代の水泳仲間と話し合っているんですよ。自己処理をする手間が省けて便利だというだけでなく、脱毛すると肌がツルツルになるので、女っぷりが上がったようで気分が高揚する。みんな色めきたってますよ。だってコーチが若いイケメンなんだもの」

若いイケメンコーチ! なにやら気になる発言だ。もしかして、それが本音なのでは? と訊いてみた。

「息子ほども年の離れたコーチのことを恋愛対象として見ている人はいないと思います。とはいえ、できるだけ見苦しい姿は見られたくないというのが女心というものなのではないでしょうか」

いくつになっても女は女。第二の人生を満喫する野本さんのハツラツとした笑顔が印象的だった。

 

頭髪は薄くなるのにひげは濃くなるなんて

「どうして今さら? と不思議に思う人がいるかもしれないけれど、この年齢になった今だからこそ、永久脱毛が必要なんですよ」と断言するのは、70歳を過ぎてから顔の産毛の永久脱毛をしたという奥井千絵子さん(73歳・無職)だ。一体どういうことなのか?

「老眼になり、軽度の白内障も患っているので、鏡の中の自分の顔も見えづらいの。だから、ちゃんとひげの処理をしたつもりでも、失敗してしまって……。ある日、娘に言われたんです。『お母さん、ひげが生えてるわよ』って。しかも、その言い方がひどいの。レストランで食事をしているときに、大きな声で笑いながら指摘されたのよ。年寄りだと思ってバカにして、と腹が立ったけれど、同時にひどく傷ついたわ」