肩をモミモミ
春町のイライラがますます募る中、南畝とのやりとりで「狂歌が下手」と野次られた政演。ムカつかれていることなどつゆ知らず、ぴょんと飛び上がって春町に近寄ると、
「じゃ、次、次、次、春町先生!」「ここはひとつ戯作者も狂歌詠めんだって、目にものを見せてやってくだせえよ! ねえ?」
と肩を揉みながらなれなれしく伝えます。するとここにきて完全にキレた春町。すっくと立ち上がると
「今日出んと(京伝と) 女にもてぬと焦りける 人の褌(ふんどし) ちょいと拝借」
と京伝こと政演を揶揄した歌を詠み、さらには
「調子に乗ってんじゃねえよ…。てめえはただの盗人だろうが!!」
と目の前の膳を蹴り飛ばし、手が付けられない勢いで暴れはじめるのでした。