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暮らしのなかで頼りになるのは、遠くの親戚か近くの他人か。楽しい時間を共有しながら、なにか困ったことがあれば助け合う――。ゆるやかな関係を築いている人たちに話を聞いた。(取材・文:丸山あかね)

1よりつづく

犬を介して頼り頼られる関係に

大阪府箕面市に暮らす林みどりさん(66歳・主婦)は、「外院(げいん)の里わんわんパトロール隊」(以下、わんパト)の一員だ。2003年に東京都世田谷区で生まれた「わんパト」は、愛犬の散歩をしながら地域の見守りを行うボランティア活動。現在では全国各地に広まっている。

「外院の里の団体が発足した08年当時、わが家ではピックというミックス犬を飼っていました。代表の女性が知り合いだったことからメンバー登録をしたものの、子育てに追われて幽霊会員状態。その後、ピックは亡くなり、20年に柴犬の2代目ピックを飼い始めました。その頃には時間的余裕もできていたので、活動を再開したのです」

メンバーは50代から70代までが多く、現在40人と46匹ほど。市から貸与される腕章かリードカバーをつけて、夕方17時、近所の公園に集合する。といっても、都合がつく日だけ参加すればいいという気楽さが特徴だ。