審査員5人の代表として四国こどもとおとなの医療センター 臨床研究部 アートサイコセラピストの森香保里さんは

「リリー・オンコロジー・オン・キャンバスは、今年で15回目を迎え、私たち審査員が今のメンバーになって6年目となりました。

6年前はまさにコロナ禍で、授賞式もオンラインで行っていましたので、今日こうして日本イーライリリー神戸本社で受賞式が行われ、受賞者の皆さんに直接お話を伺えるということがとても貴重なことだと本当に思っています。

作品を審査する中で、私たちもまた、自分たちの過去の傷に触れることがあります。
その痛みを感じながら、作者の痛みを想像し、思いを馳せます。

笑顔や涙といった一つひとつの表現の裏には、痛みだけでなく、希望に向かう心の葛藤があって、審査員にとっても、このリリー・オンコロジー・オン・キャンバスでの経験は、私たちの考え方に深く影響している本当に貴重な機会だと感じています。

コロナ禍を経て急速に変化した生活の中で、様々な背景を持ついろんな人が感じた思いや、痛みや、希望が、まだまだたくさん届いています。

今年の作品からは、人と人とのつながりや絆がとても強く感じられるものが多かった印象を受けました。

声を届ける場所があることで、皆さんの体験をまた別の人へとつないで、そしてそれはまた別の人への希望へと変わります。

日本イーライリリーの皆さまには、このような場を提供してくださることに本当に感謝しています。

そして、本日受賞された皆さま、本当におめでとうございます。

作品やエッセイでは語り尽くせなかった皆さんのお話を今日伺えることをとても楽しみにしています。」

とコメントを寄せた。

【絵手紙部門最優秀賞】齋藤紘子さん(神奈川県)『伝える事で役に立つ』(画像提供:日本イーライリリー)

 

受賞作品はリリー・オンコロジー・オン・キャンバスのウェブサイトにて、後日公開を予定している。

 

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