当時はバブル経済の名残りもあり……
シネコン以前の1000席規模の大劇場や、東宝系と東映系の系列館、拡大興行の全国チェーンでは上映されない世界の名作、アート作品、世界三大映画祭の受賞作品などがミニシアターで上映されていました。東京のここでしか上映していないという特別感も映画ファンやサブカルに興味のある学生などの心を刺激しました。
また、当時はバブル経済の名残りもあり、昼間は主婦層がランチの前後に、夜は仕事帰りの会社員や、流行に敏感な若いカップルがディナーの前後に、アート作品の世界に少し贅沢な気分で浸る場にもなっていたと思います。
都内のミニシアターは1スクリーンあたり約50席から大きくて350席でしたから、国内の人口比、映画好きに絞っても、ミニシアターでしか上映されていない作品を見ている人は限られたわけです。
もちろんロングラン興行、全国の単館に拡大となればその数は増えていったわけですが。