映画の多様性を支え続けるミニシアター
コロナ禍は政府から外出自粛要請が続き、閉館の危機にさらされました。
そこでミニシアターを守るため、ミニシアターでデビューした映画監督らが発起人となり、有志で「ミニシアター・エイド基金」を立ち上げ、ミニシアター全体を支援するMotionGalleryのクラウドファンディング(CF)で3日弱で1億円、最終的に3万人近い支援者から3.3億円を集めました。
一時はその分配金でしのぎましたが、コロナ禍で遠のいてしまった客足は戻らず、デジタル映写機の買い替え問題、さらに物価の高騰など、困窮の要因が複数重なって、死活問題が続いています。
そこで全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)も24年7月にミニシアターを支援するプロジェクト「#ミニシアターへ行こう」を本格始動させました。今回は、ミニシアターが個別にCFを立ち上げ、事情をページに綴り、支援を呼び掛ける手法をとるもので、全興連の支援プロジェクトはこのサポートを行っています。
昨今はシネコンでもミニシアター系の作品が上映されるようになったことから、その存在意義が薄れつつありますが、ミニシアターの灯を消さないためにも、ミニシアターで映画を観る習慣づくりが重要になってきます。
※本稿は、『映画ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
『映画ビジネス』(著:和田隆/クロスメディア・パブリッシング)
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