それまで吉本新喜劇とミュージカルで舞台に立ったことはありましたが舞台上からお客さんに向かってなにかを表現する時にそのやり方がまったく違ったので、ミュージカルもお客さんをめちゃくちゃ意識して、投げかけるような芝居もありましたが、芝居中は舞台の設定が海なら客席も海になるわけですし、勝手が違い過ぎました。

なのでリハーサルではもじもじやってしまってました。本番、お客さまが客席にいてくださった時の嬉しさと興奮はすごい量でボクに押し迫ってきて心の底から「ありがとうございます!」って思えました。

あれから20年以上経ち、今は自分だけのステージよりどなたかと一緒のステージが多くなって、自分が関わってる方とのステージの時は、ほぼほぼその人のことばかり考えています。

2024年、フットボールアワー後藤輝基クン(てるきん)とツアーに出ました。ボクが主宰する音楽レーベル、スレンダリーレコードからリリースしたアルバム「ホイップ」を引っ提げてのツアーでボクはプロデューサーとして帯同しました。

帯同というか、自分もステージで歌って応援してくださってる皆さんとお会いできました。ステージママならぬ物販パパとして開場時間から物販エリアに立たせていただいて、てるきんファンの皆さんのお言葉やご意見を伺える貴重な経験をさせていただきました。

てるきんのステージではコーラスも担当しました。

リハーサルでは本番ではどうなるかわからないのでマイクはミュートしてもらってたのですが、やればやるほど楽しくなってきてコーラスも勉強と練習をしてもっと上手になりたいと思いました。

コーラスしながらステージから客席を見つめていると、とても安心できましたし、お客さまに楽しんでいただいてる反応を生で拝見すると間違ってなかったんだと励みになりましたし、本当に出来て良かった、やれて良かったと感激していました。

ですので、客席はとっても意識しておりますので、これからもぜひ、皆さまとお会いしたいです。

『マ・エノメーリ』(著:藤井隆/KADOKAWA)