世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく
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このシリーズは、全国を旅しながら水族館を訪れて写真におさめる写真家 野辺地ジョージのシリーズを連載した物です。今回第33回は、2024年の夏に訪れた沖縄本島(豊見城市)にあるDMMかりゆし水族館のエピソードです。
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このシリーズは、全国を旅しながら水族館を訪れて写真におさめる写真家 野辺地ジョージのシリーズを連載した物です。今回第33回は、2024年の夏に訪れた沖縄本島(豊見城市)にあるDMMかりゆし水族館のエピソードです。
「モダン」系の水族館
2~3歳くらいの幼児が、靴を脱いで恐る恐るとガラス板の床の上へと踏み込んで行く。1メートルも行っただろうか、悲鳴と笑いが混じった声が聞こえる。そして「安全」なカーペット貼りの床へと走って戻る。どうやら新しい策を思いついたようだ。今度は四つんばいになった。「これなら安心」と言わんばかりに勢いよく真ん中を目指す。そして、ガラス床の下にある深さ6mの水槽を眺める。エイやサメたちを見ると笑みを浮かべていた。
ここは沖縄本島(豊見城市)にあるDMMかりゆし水族館の「ちゅらみなも」コーナー。昨年のこの季節に訪れた当館は、2020年にショッピングセンターの中にオープンした新しい施設である。沖縄美ら海水族館の「クラシック」系の展示に対して、こちらは光、映像、音響を採用した「モダン」系の水族館だ。
陸に住む動物たちを間近に観察できる柵の少ない亜熱帯エリアや、熱帯魚を中心とした、四方から覗き込める個水槽が立ち並ぶエリアなど多彩な楽しみ方を演出している。

写真を拡大 シルバーアロワナの不思議な姿(C)2015〜2025 George Nobechi