「since」ってどうも浮いているような…

京都は景観条例があり、建物の高さやデザイン、看板にも規制があります。
看板に原色系の派手な色は使えません。
マクドナルドの看板は茶色に、ケンタッキーもミスタードーナツも、ユニクロも同じく茶色に。
モスバーガーは深緑、吉野家も、郵便局も、タイムズもイメージカラーを捨てて白地に。
ローソンも、セブンイレブンも世界遺産の近くではモノトーンになっているという徹底ぶりです。
そんな京都ならではの看板を探すのもおもしろいのです。

建物の前で佇む越乃リュウさん
何気ない風景がどこか懐かしい京都

京都生まれの友人は、看板やのれんに「since」の文字があるとがっかりするという老舗や古いものを好む人です。
「何でこんなに歴史があるお店なのに英語なの?創業何年って書いた方が絶対風格あるのに…」
とちょっと不満げな顔をします。
たしかに。
「since」って京都のこの空気感にはどうも浮いているような。

「東京で仕事をしていた息子が戻ってきて後を継いだんだよ」
「若い嫁がsinceにしようって言ったんじゃない?」
「和洋折衷を狙ったのかも」
「KYOTO since〇〇って書いて、そのうち都内に進出じゃない?」
「いや、海外なんじゃない?」
「マカロンの中にあんこ詰めてポップにしそうだね」
と、勝手な妄想で盛り上がる私達。