100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第102回は「京都の since と創業問題」のお話です。
(写真提供:越乃さん 以下すべて)
(写真提供:越乃さん 以下すべて)
独特の文化の奥行きや歴史がある街
「そうだ 京都、行こう。」
JR東海のこのポスターを見るたびに、行きたくなる京都。
そんなポスターを横目に見ながら、いくつか季節が過ぎ、久しぶりに仕事で京都に行くことになりました。
いざ、久しぶりの京都へ!
京都という街は、奥の深い街です。
どれだけ通っても、決して知り尽くすことは出来ない街です。
知った気になったとたん、優しくあしらわれるような、おいそれとよそ者が近付いてはいけない気配があります。
独特の文化の奥行きや歴史がある京都。
そのある種の気品に、どこか身構え、ちょっとよそ行きの気持ちで臨む街。
でも、そんな京都になぜか何度も行きたくなるのです。
仕事が早く終わった午後、大好きなちりめん山椒を買いに行き、そのまま白川や鴨川を散策。
そして、気の向くままに街を歩きます。
京都はどこに行っても景色に歴史の風が吹いています。
こんなところにこんなお店が!というのを発見するのも楽しくて、路地に入り込んでは迷子になる、というのも定番コースです。
今回も、友人と知らない路地を歩き回り、いろんなお店の看板を見ながら、
「この屋号、渋くてかっこいい」
「この書体、いいね」
「屋号は一文字の屋号にしよう」
「筆文字にした方がいいね」
などと、お店も持っていないのに、看板を見ながら、あーだこーだと妄想は広がります。

知らない通り、見たことのない路地に誘われる街歩き
時代を感じる木彫りの看板の前で立ち止まり、右から読む趣のある看板に感動したり、いつだかわからない創業寛文3年、宝暦元年に驚き、なぜか看板ばかりを見て歩く看板マニアと化していました。