どこにいてもクリエイトできる世界が間近にある

さらに言えば、音楽以外のクリエイターが、映像や写真の情景に合う音楽をAIを使ってその場で創って当てはめるというような使い方もあるかもしれません。

たとえばドローンを飛ばして公園の風景を撮影して、それに合うようなBGMをAIで創る人が出てくるかもしれない。プロンプト(指示や質問)を打って、当てはまるような音楽をAIで生成するような使い方もできる。

(写真提供:Photo AC)

自分で音楽を創ったことがない人でも、AIを使って音楽を生成できるような状況が生まれています。

テキストベースで対話しながらものづくりをしていく。プロンプトを打って映像も音楽も、シナリオも創っていく。家から一歩も出ずに、いろんなAIサービスを駆使しながら魅力的な映画やドラマを創り上げる、いわば「プロンプトクリエイター」のような人も出てくるでしょう。

その人は楽器もさわれない、カメラも持っていない。だけど自分の頭の中に「こんなものが創りたい」というイメージをしっかりと持っていて、映画監督のようにAIに質問や指示を出しながら形にしていく。そういうことも可能になってきている。

都会にいても、田舎にいても、どこにいてもクリエイトできる。

それがいいとか、悪いとかということではなく、技術的にそれが可能な世界が間近にある。そういうクリエイターが出てくる条件が揃ってきたと思います。

そうした生成AIがすごく進化して、あらゆる音楽をAIが独自につくってしまえるような状況になったとしたら、どんな未来になるのでしょうか。果たして、人はAIが生成する音楽を好んで聴くだろうか……。その問いへの答えは僕にはわかりません。