情報革命によって起こったこと
そんな変化が激しく予測困難な時代に生きる私たちは、どんな資質・能力を養えばよいのでしょうか。
リンダ・グラットン氏とアンドリュー・スコット氏が著者で、私が監修を務めた『16歳からのライフ・シフト』(東洋経済新報社)を参考に記述すると、明治時代から昭和時代の人生設計(現在も残像が残っていますが)は「教育→仕事→引退」という3ステージ型(一斉進行型)のものでした。
戦争や災害という例外的な時期を除き、日本は右肩上がりの人口増大と経済成長を遂げていました。この時代は「ベルトコンベヤー型の人生」と言えるでしょう。「ベルトコンベヤー」に乗っていれば「一億総中流」の一員となり、「よい学校」から「よい会社」にスムーズに移行することができたのです。
情報革命によって起こったことは、産業だけではなく、人生設計のゲームチェンジです。現代では、さまざまなフェーズ、ステージへの「移行(トランジション)」が発生するマルチステージ型の人生が一般的となりつつあります。「静的」な人生から「動的」な人生へ。自ら働きかけることでチャンスがより広がる自由な社会が始まりつつあります。「よい」ということも人それぞれ多様化を遂げます。