夫が作ってくれた料理に……

また、ある日の夕食のときのこと。夫が作ってくれた料理に「おいしいけれど、油っぽすぎるのは苦手なのよね」と伝えたことがありました。

「せっかく作ったのに!」と怒っちゃうかなと思ったのですが、夫は「そうなんだ……。女性にとってはこれは油っぽいんだ」と、それまでは考えたこともなかったというような、ハッとした表情をしたのです。その後、夫は油の量を加減してくれるようになりました。

『何歳からでも輝ける秘訣』(著:藤原美智子/主婦の友社)

もしあのとき、私が夫の好みを無視して自分流を押しつけるだけだったとしたら。もし夫が怒って、その後も自分の好みを押しつけていたとしたら。二人の関係性は今頃どうなっていたのか想像できません。

「えっ? それぐらいのことで?」と思う人もいることでしょう。でも夫婦のもめ事の原因の大半は、こうした小さなことなのだろうと思います。他人にとってはどうでもいいことをないがしろにしないのが、夫婦という単位には必要で、その積み重ねが夫婦の形となるのだと思います。