体制が十分に整っているとはいえない
さらに臨床心理士の佐藤仁孝氏は2015年、西日本ではじめての加害者家族支援団体としてNPO法人「スキマサポートセンター」を設立しています。
司法関連の動きでは2016年、東北弁護士連合会の定期大会で「犯罪加害者家族支援」をテーマにシンポジウムが行われました。この大会では国に対して、加害者家族の支援体制の整備や支援団体への財政支援などを求める「犯罪加害者家族に対する支援を求める決議」を採択しました。
2018年には山形県弁護士会が「犯罪加害者家族支援センター」を設立しています。さらに、2023年9月には関東弁護士連合会が「刑事加害者家族の支援について考える」という大規模なシンポジウムを行いました。弁護士会が加害者家族の支援に取り組もうとしていることには、大きな意義があると思います。
しかし、いまも加害者家族を直接支援する組織は全国にほとんどなく、体制が十分に整っているとはいえません。