「号泣注意」のキャッチコピーともに、読み聞かせ動画がTikTokで300万回再生されて話題となった物語『もうじきたべられるぼく』。10年の月日を経て、絵本『もうじきたべられるぼく』として刊行され、版を重ねて話題になっています。人生で初めて朝ドラ『あんぱん』を観ているというはせがわさんは、ご生前のやなせたかし先生と素敵な交流があったそうで……。人生観がつまったイラストエッセイ「なんだもんぱんだもん」です。
やなせ先生はぼくの恩人
人生で初めて朝ドラを観ています。
わたくしはやなせ先生の作った『詩とメルヘン』という雑誌のイラストコンクールで
選んでいただき、世に出るきっかけになったので先生は他ならぬ恩人なのです。
その後、なんだかんだと長年散々お世話にもなりました。
アンパンマンの頭を何度もかじらせていただいたわけです。
なんのお返しも出来ないまま、先生は逝ってしまわれました。
朝ドラの『あんぱん』を観ていると、もちろんフィクションの部分も多々ありますが
おそらく先生をご存知だった人は、そうそう〜とうなずけるところもいっぱいある気がします。
先生は「僕たちのやっていることは、いつも弱ってる人や病んでいる人に焦点を当てているから、健康な人には少し気恥ずかしいものなんです」とよくおっしゃられていました。
自分はその精神を知らず知らずのうちに受け継いでいる気がします。

88歳のパーティでみんなからウエスタンブーツをプレゼント(写真提供:はせがわさん 以下すべて)