大吉の想像力と安心感
MCの博多華丸・大吉さんの力も大きいです。大吉さんには包容力があって、ゲストの方もメールを寄せてくださる方も安心して自分のことを話せる。打ち合せの時に説明をすると「うん、わかりました」という感じで多くを語りません。でも、どう伝えようかをすごく考えてくださる。
例えば、特集ではお困りごとの相談先を紹介することもあります。夫の暴力に悩んでいる方向けには「ここに電話してください」と、支援センターなどの番号を紹介しています。電話番号を出して終わりで、僕らとしてはそれで役目を果たしたつもりでいたんです。
すると、ある時、大吉さんから「いつも最後に困ったら電話してくださいって言いますけれど、これで終わりというのはちょっとどうかなと思うんです。多分、電話をするのもすごく勇気がいるでしょうし、この電話をしたらどうなるんだろうっていうこの先をもうちょっと伝えてもいいんじゃないですか」と言われて、ハッとしました。
僕たちも虐待やDVの取材をしてきたし、当事者が支援につながるために電話をするのはとても勇気のいることだとは知っていた。相談のハードルが高いことは頭では分かっているつもりだったけれど、実は分かっていなかった。
それからは、「相談したその先はどうなるのか」という視点も入れるようになりました。6月25日放送回では、妻を亡くした男性が地域包括支援センターへ相談に行くのに同行取材をし、センターでは誰が出てきてどんな部屋で話をするかまでをVTRで紹介しています。
一方で、華丸さんは一回空気を混ぜっ返してくれる人なので、違う視点をくれます。大吉さんとの組み合わせがすごくいい。

鈴木アナは、正直さがにじみ出る人。「むくみ対策にはあずきがいい」という企画がありました。あずきを炒って煮詰めたあずき茶を飲むといいらしい。でも暑い夏にあずきを炒るのか。鈴木さんに聞いたら「めんどくさくてやらないな~」と言う。
それで「伝え方をもうちょっと工夫しようか」となったんです。鈴木アナの正直さに番組が頼っているところもあって、一時期、「鈴木のあーめんどくさい」というコーナーがあったくらいです。