安心感のあるコミュニケーションへ

放送開始から16年を経て、制作側の情報の扱い方が変わってきました。有働さんの時代では、脇汗や膣トレ、セックスレスといった言いにくいことを正直に言う「ぶっちゃけトーク」に価値があった。

でも、その後、SNSが生まれ、本音が言いやすくなったし、拾いやすくなった。ただ、SNS上のむき出しの声には強い言葉もあって、傷つく人もいれば、疲れてしまう人も生まれました。「話せなかったことを言葉にすること」は今も大事にしていますが、どんな意見であれ受け止めて否定しない「安心感」のあるコミュニケーションを重視するようになりました。出演者や視聴者が安心して自分語りができる「広場」のような存在でありたいと思っています。

視聴者側の変化も感じています。自分の家の中のことだけではなく、「社会に対して自分がどう関わるか」ということへの関心が高くなった気がします。虐待や貧困問題といった、自分の力だけではどうしようもないことがある。

でも、当事者じゃない人がどうコミットして、社会に貢献できるのかを知りたいというニーズもいただきますので、「何ができるのか」もなるべく伝えるようにしています。