『あさイチ』の制作統括・上松圭さん(撮影:本社・武田裕介)

 

2025年3月に放送16年目を迎えたNHKの生活情報番組『あさイチ』(NHK総合、月~金午前8時15分~)。大人の女性にターゲットを絞り、徹底した女性目線で特集を展開。スタート時のMC・有働由美子さんと井ノ原快彦さんによる本音トークが話題を呼んだ。2018年からMCは「博多華丸・大吉」の2人に変わり、現在は鈴木奈穂子アナを加えた3人体制に。生活情報からニュース解説まで「半径5メートルから社会を見る」番組作りと、視聴者の声を取り入れた双方向性が強み。番組立ち上げから関わり、現在は制作統括を務める上松圭さんにインタビューした。(取材・文:婦人公論jp編集部)
 

「友達のような存在」

『生活ほっとモーニング』の後継番組として『あさイチ』がスタートしたのは、2010年3月29日です。ファンミーティングなどで視聴者からよく言われるのが、「友達のような存在」という言葉。画面の向こうにいる鈴木アナと「私」。華大さんと「私」。そういう関係性で接してくださっている。ちょっと辛いことも軽やかに寄り添ってくれる。しんどいことも楽しいことも一緒に共有できる、1対1の関係性ができていると思っています。

ターゲットは大人の女性。特に意識しているのは40代以上です。「女性が生きる社会がちょっとでもよくなるように」ということを大切にしてきました。番組では多様なテーマを取り上げるようにしています。たとえば最近では、筋トレ、腸活、もやしの活用法といった身近なテクニックから、国会の舞台裏、就職氷河期世代の声に寄り添う特集まで、いろいろ扱いました。