五木先生は羅針盤
表彰式は歴代受賞者ら関係者約70人が出席し、にぎやかに行われました。
大森雅夫市長から表彰状と賞牌を贈られた五木さんは「私は坪田譲治という作家を非常に愛し、その存在をもっと知ってほしいという気持ちで選考委員を務めてきました。地方の立派な文学賞を、これからも応援し、お手伝いをしたい」と謝辞を述べました。
かねてから地方の重要性を語っている五木さん。受賞の喜びとともに以下のように語っています。
「坪田譲治文学賞は、地元の熱意もさることながら、本当にいい賞で、ほかに類するものがないと思います。文学賞は山ほどあるが、児童文学だけでなく芥川賞候補も入ってくるような独特の風格を持った賞です。私は今92歳ですが、奇しくも坪田先生がお亡くなりになったのが92歳の7月。私が7月にこういった賞をいただくご縁があったなあと感じています。
私は九州芸術祭文学賞(旧・九州沖縄芸術文学賞)、金沢の泉鏡花などの選考委員も務めていますが、中央の華やかな賞だけでなはく、こういった賞も陰ながら応援していただきたい。今も地方を大切にしたい気持ちで、杖を突きながら歩き回っています。92歳、先生とご一緒に行こうかなという気持ちもないではないんですが、最後まで陰ながらお手伝いをしていきたい。受賞のあいさつというより、賞の宣伝文句のようになりましたが(笑)、今日は本当にありがとうございました」
その後、歴代受賞者を代表して、選考委員も務める森さん、阿川さんらが「五木さんは坪田譲治文学賞の進む方角を指し示す羅針盤であり、灯台の光のような存在。これからもわれわれを導いていってほしい」などと祝辞を贈りました。
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