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【ケース1】上階の子どもの足音で眠れない

35年前に新築で購入したマンションで夫と二人暮らし。3ヵ月前、小学生の男児が2人いる共働き夫婦が上階に越してきました。
朝は6時から夜は11時過ぎまで足音が響き、夜間に洗濯機や掃除機を使用。私は精神的につらくて睡眠導入剤を処方してもらっています。
管理組合を通じて掲示板で注意喚起し、直接手紙も投函しましたが効果がありません
(66歳・主婦)

<小野弁護士の回答>

こういったケースでは、先方に苦情が届いていないことがよくあります。掲示板の貼り紙くらいでは気づかない人も多いですし、茶封筒に入れた手紙をチラシか何かだろうと処分してしまう人も。管理組合から、一目で重要だとわかる手紙を投函してもらいましょう。

手紙の内容は具体的に。「朝6時から8時頃にかけて、床を走り回る足音とドンドンと跳びはねるような音が響きます」「毎晩11時頃から洗濯機を回す音と掃除機をかける音が聞こえて眠れません」など、いつ、どんな音がするのかを明記し、現状を知ってもらうことが大切です。

法律用語に「受忍限度」というものがあります。これは騒音・振動・悪臭などに対して「社会生活を営むうえで我慢すべき限度」のことで、それを超えると違法とされることがあるというものです。

子どもが騒がしいのはある程度は仕方ありませんし、共働き世帯なりの事情もあるでしょう。

そのあたりを考慮して「夜はX時には休みますので以降は静かにしていただけると助かります」「洗濯機の振動を吸収するマットを敷いてもらえませんか?」など、具体的にこういう対策をとってほしいと伝えるのがいいでしょう。