「包括」と呼ばれる地域包括支援センターの活用

では、こうした老老介護の問題に対して、どのような解決策があるのだろうか。

一般的にいわれているのが、行政や地域社会による支援の強化だ。例えば、「包括」と呼ばれる地域包括支援センターを活用し、高齢者が孤立しない環境をつくることが重要である。包括とは、高齢者の介護や生活支援について総合的に相談できる窓口であり、専門の職員が対応してくれる。本人や家族が、包括を頼るのは一つの方法といえる。

(写真提供:Photo AC)

また、介護者自身が助けを求めやすい環境づくりも必要だろう。介護者同士やサポートグループによる交流会の開催など、情報共有や悩みを打ち明ける場を提供することで、孤立感を軽減できる。木村さんも地域の介護者サロンに参加し、「同じ境遇の人と話すことで気持ちが楽になった」と感じているそうだ。

だが、実際はそう簡単なことではない。木村さんのように地域活動に参加できればよいほうで、包括を活用するといっても、何を相談したらいいのかもわからないという高齢者がいるのも事実だ。