政演から見た蔦重
政演から見た蔦屋重三郎、その入り口はもちろん吉原ですよね。この人の近くにいれば吉原で遊べるぞ、っていう。加えて蔦重は吉原、政演は深川という、それぞれ江戸文化が強い地域で育ったという背景も、すんなり馴染めた理由だったかもしれません。
でも徐々にセンスやひらめきなど、苦難を切り拓いていく蔦重という人物そのものの“人間力”に惹かれていきます。
政演も自分のセンスに頼って生きてきた人物なので、そういった部分で惹かれるところがあったのかもしれないですね。そのあたりも今夜放送される29回を見ていただけると、あらためて伝わるように思います。
この先も、二人にはいろいろとありますが、「才能ある者同士が、切磋琢磨して進んでいく」という面が色濃くなっていきます。
蔦重がいなければ、政演はやっていけなかったのかもしれない、一歩を踏み出せなかったのかもしれない…といった側面が描かれます。
先ほど僕は、自分の性格と距離のあるキャラクターを演じている、と話しましたが、普段やりとりをする限り、横浜流星さんも蔦重とはかなり違う性格だと思うんです。
根がすごくまじめで、そして芝居は本当にストイック。出番が終われば、すぐにモニターの元へ向かっていって自分の演技をチェックされています。
そんな姿勢で座長として“どん”とドラマの中心にいらっしゃるので、頼もしく感じます。支えたいというとおこがましいかもしれませんが、共に戦いたい、という思いはありますね。