森下脚本について 

森下佳子さんが脚本を担当されたドラマには、これまでも何本か出演させていただいてきましたが、今回は初の大河ドラマとなります。

実際に演じてみて、森下さんの脚本の魅力は、やはりそれぞれの人物をすごく深いところまで描いてくださっている点にあると感じています。

ドラマに登場する人、一人一人の背景をしっかり描いてくださるので、人間ドラマが自然と豊かになる。だからこそ、そこで生まれる感情を、視聴者の皆さんも捉えやすくなるのではないかと思います。

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

また「べらぼう」のように長い期間や時代を描くものだと、そのどこを抜粋するか、そして動かせない史実がある中、フィクションをどこに織り混ぜていくかというバランスがあると思うのですが、森下さんの脚本はそのあたりのバランス感覚が素晴らしいです。

田沼意知と花魁・誰袖の恋愛なんて、その典型ですよね。

脚本が全て描いてくださっているから、演じる側も、疑問を感じずに脚本にそのまま身を委ねることができます。

ドラマにすんなり入っていけるのが、演じる一人として、本当に有難いです。