江戸のメディア王として、日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築いた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』。ドラマ内で存在感を発揮しているのが、北尾政演(のちの山東京伝)です。第13回から既に登場している政演ですが、ここから絵師、戯作者、ベストセラー作家として、さらにマルチな才能を開花。蔦重のパートナーとして欠かせない存在となっていきます。演じる古川雄大さんにお話をうかがいました。(取材・文:婦人公論.jp編集部)
大河ドラマ出演の反響
『べらぼう』では北尾政演(山東京伝)役を演じているんですが、事前に皆さんが予想していたよりも、ドラマに出てきた政演がずっと明るかったようで(笑)。
それだけでも、反響はすごくありました。
僕は村の出身なんですが、おじいちゃん、おばあちゃんが多く住む長寿の地域なので、母親が銭湯に行ったりすると頻繁に声を掛けられるそうです。
もちろん、ほかにも多くのドラマへ出演させていただいていますが、これだけ幅広い層の方から見ていただけていることを実感するのは、やはり大河ドラマならではかもしれないです。
疎遠だった友達からも「あのさ、大河ドラマ、出るんだって?」と久しぶりに連絡が来て…。ドラマ出演をきっかけに、やりとりをすることが出来ました。とても感謝しています(笑)。
台本を渡された時には、「政演はとにかく色男」だと言われました。

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)
“色男”と聞いて、勝手に少しセクシーな人物をイメージしていたんですが、進んでいくうちに「『べらぼう』の登場人物中、もっとも陽気」と聞かされて。今で言う“パーティーピープル”みたいな役割を求められていたことを知りました。
それでいざ“根っからの陽気さ”みたいなものを表現しようとしたら、これがなかなか難しくて。そもそも僕自身とは真逆なので…。