可愛がられる人がやっている絶妙な質問

僕にとって志村けんさんは、ザ・ドリフターズの「東村山音頭」を小学校のときにリアルタイムで見ていた、まさに大スター。

僕からしてみると、志村さんに会うなんてのは、神様が地上に降りてきた、みたいな話でした。

もう顔を見ているだけで、いろんなコント映像が浮かんできてしまう。

緊張しつつも、番組を盛り上げるため、お酒を飲みながらのトークだったりもしましたから、無茶振りをして「東村山音頭」も目の前でやってもらいました。

「こんなフリされたの、初めてだよ(笑)」

なんて言われながら。

当時は、自分の番組にしか出ないと言われていた志村さんでしたから、僕たちとしても、本当に貴重な経験でした。

 

それで収録が終わって、お開きとなり、僕は覚悟を決めていました。

志村さんは、仕事の帰りには必ず六本木で飲む、と聞いていたのです。

それで、こう切り出したのでした。

「師匠、今日はお帰りですか?」

我ながら、ナイスな問いだったと思います。

「今日はそうなんだよ」と返事が来てしまったら、もうおしまい。

しかし、そうではないであろうことがわかっていたのです。

「僕も連れて行ってください」とは言っていません。

あくまで、「このあとはどうされるんですか?」という問い。

つまりは、判断は師匠に委ねているのです。

結果的に僕は志村さんの六本木の行きつけの店に一緒に連れて行ってもらい、そこから親しくお付き合いをさせていただくようになったのでした。