なぜ新興勢力が弱いのか

ちなみに、現在ドラッグストアに必ずあるだろう男性用化粧品トップ層は、uno、メンズビオレ、ニベアメン、ルシードなどなどである。

unoは言わずと知れたメンズプチプララインで、メンズビオレはトップ消費財メーカー花王が誇る代表ライン。ニベアは納得の知名度だし、ルシードは汗ふきシートの圧倒的シェアを誇るギャツビーと同じマンダムのブランド。ほかにもキュレルや小林製薬のメンズケシミンシリーズなどを置いているドラッグストアもあるようだ。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

ちなみにマンダムは遡れば1927年に創業という歴史を誇る大阪の化粧品会社である。男性用化粧品に限って言うと資生堂や花王ともタイマン張れるブランドであるのだが、いかんせんほかの新興勢力が弱い。

だって、これが女性用化粧品の棚なら、次から次へと新人が現れては棚を巡って仁義なき陣取り合戦を繰り広げ、そこに韓国コスメが殴り込みをかけては、ちふれなどのお母さんブランドも年季の入った堂々たる戦いぶりをみせるなど、棚にとにかく活気があるのだ。それにくらべて男性用化粧品はなんとも勢いも華やかさもない。なんか50年アイドルやってる人たちの下に若手がいない、みたいなイメージなのである。

どうしてこんなことに……。私はやや呆然とした。だって人類の半分は男のはず。そして顔を洗ったあとは保湿しないと皮膚がトラブるのだって人類共通のはず。なのにこの差はいったいなんなんだ??

※本稿は、『父と息子のスキンケア』(早川書房)の一部を再編集したものです。

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