北上するリンゴとミカン
温暖化による影響では水稲のほかに、高温によるリンゴやブドウの着色不良も深刻です。病虫害の発生する地域が広がる可能性もあります。コメや果樹などさまざまな作物で、高温に耐えられる品種の開発と普及が急がれています。
猛暑で2年連続で供給量が減り、値上がりが続くリンゴについては、標高の高い地帯で果樹園の整備を進める国の方針もあります。
農研機構は2002年という早い時期に「地球温暖化によるリンゴ及びウンシュウミカン栽培適地の移動予測」という研究成果を出しています。気温の上昇により栽培適地が徐々に北上し、2060年代には今の主要な産地の多くが気候の面で栽培に向かなくなるかもしれない――。そんな衝撃的な予測内容でした。
ウンシュウミカンを例にとると、現在は栽培適地である四国や九州の低地は2060年代には適地より高温になってしまうとの予測結果が出ています。逆に適地ではなかった北関東や南東北が適地になると予測されています。