安藤 ただ、夫も私の母が晩年は幸せだった姿を見ているので、家族の負担が大きくなったら義母を施設に預けようと、妹夫婦と相談して決めました。最近は私たちも一緒に、施設の見学に行ったりしているんです。
桜木 心の健康、っていう言葉もありますよね。ちなみに私にはすでに独立した息子と娘がいるんですが、彼らの生活に口を出すことはないの。
2人には、「自分の仕事を優先して」と言っています。私がいよいよ危ないときも、その日の仕事をすべて片づけてから来てねって。ちょっと突っ張りすぎですかね?
安藤 そんなことないですよ。私も母が亡くなった日の夕方、いつもどおり生放送に出演しました。母の介護中も大好きな仕事に救われたので、桜木さんの気持ちはよくわかります。
桜木 親が死んだ後も人生は続くんだから、自分の生活を大事にしてほしい。独立した子どもたちが前を向いて生きていってくれることが、私にとっての安心と幸福なんです。なのでこちらは、すでに始まっている老後の資金を貯めるべく、せっせと働こうと思います。
安藤 桜木さんとお子さんたちの距離感は理想的です。結局、私たち子どもが親の《いい娘》であろうとせずに、精神的な距離を保つことが、お互いの幸せにつながるんですね。