ペットの側に立って考える
たましいの視点を持つというのは、ペットの側に立つことでもあります。「亡くなったペットは、今の私を見てどう思うのだろうか」という視点です。遺骨を前にいつまでも悲しむ飼い主を見れば、心配でなかなか虹の橋を渡れないのではないでしょうか。
つまり、遺骨が手元にあるというのは執着につながり、ペットを縛りつけることになってしまうのです。少し厳しい言い方をすれば、ペットを失った悲しみは自分のための感情であり、執着はエゴにも近いと思います。
自立しようとしているわが子にいつまでも親が干渉するのと同じようなもの。子どものことを思えば、自分の感情は脇に置いておき、ぐっと我慢するのが親の務めです。最初のうちは悲しくてさみしいのもわかりますが、「虹の橋を渡って、好きなところに行きなさい」と言ってあげるのが、飼い主としての親心ではないでしょうか。
私の講演会でも、「亡くなったペットは今、どう思っているでしょうか」という質問が客席から上がります。霊視するとたいていは、「もう放っておいてほしい」というのが彼らの返事。自分のことばかり考えず、飼い主の生活を優先してほしいとペットは思っているのです。