スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』での連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第43回は「愛猫が亡くなりペットロス状態。せめて遺骨を手元に置いておきたい」です。
Q 愛猫が亡くなりペットロス状態。
せめて遺骨を手元に置いておきたい
A)なるべく早くペット用のお墓に納める
B)悲しみが和らぐまで手元に置く
悲しみは執着につながる
猫や犬などのペットを家族同様にかわいがる方は、とても多いですね。それだけに亡くなったとき、ペットロス状態になるというのは理解できます。スピリチュアルな視点から申し上げると、動物も人間と同様に、たましいの存在です。ペットが亡くなると、飼い主が「虹の橋を渡る」と表現することがよくありますが、亡くなった後は、肉体を離れてあの世に帰っていきます。
今回のテーマに対する答えを導き出すには、こうしたたましいの視点を持つことが大切です。そのうえで猫の立場に立って、すんなりと虹の橋を渡れるのはどちらだろうか、と考えてみましょう。あなたが飼い主だとしたら、どちらを選びますか? ずばり幸せぐせはAです。
私自身、現在も大我という名前の紀州犬とともに暮らしていますので、Bを選びたくなる気持ちはよくわかります。大我にはとても思い入れがありますから、もし亡くなったらと想像するとつらくて、骨でもそばに置いておきたいと思うからです。
けれど、生きていたときの姿を忘れたくないからと剥製にして残しても、それは大我ではありません。つまり遺骨はやはり骨でしかない。剥製も剥製でしかないのです。だったら、元気な姿を収めた写真でも眺めて思い出を振り返るほうが、ずっと幸せな気持ちになれるだろうと思います。