私の経済観念を信用していいのか、長兄も多少は悩んだと思いますよ(笑)。無駄遣いをすれば、母が最期まで満足な介護を受けられなくなる。資産が減れば、相続するお金も減りますし。
でも「任せる」と言われたからには私だって、誰にも文句を言われないようにやってみよう、と思うじゃないですか。母のために使ったお金の領収書とレシートは今でも、イケアの収納ボックスに詰めて取ってあります。
また、母の認知症がわかった頃から「ママノート」を付け始め、母の症状、施設の資料、お医者さんの診断、きょうだいとの話し合い、使ったお金など何でも書き留めておきました。
幸い母は、自分の年金と寡婦年金で月に約21万円の収入があったので、ケアハウスの利用料とおむつなどの日用品代、私が東京から通う交通費、実家に戻った時に2人で食べる食料品代はそれで賄える。そう計算ができたので、実家からは遠くても母に良さそうと思った施設を選ぶことができました。
私も飛行機のチケットは2ヵ月前から早割で予約をするなど、「ママの大事なお金」は無駄遣いするまいと知恵を絞ったものです。
そのほか、母との旅行や実家の墓じまいなど特別な費用は、預かった貯金から使わせてもらいました。特に福岡まで一緒に行って、母の弟である叔父と再会させてあげられたのは、本当に良かったと思っています。