(『あんぱん』/(c)NHK)
今田美桜さんがヒロインを務める連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。子どもたちの人気者・アンパンマンを生み出したやなせたかしさんと、妻・暢さんの夫婦をモデルとした物語です。<朝田のぶ>を今田さん、<柳井嵩>を北村匠海さんが演じています。やなせさんと多くの楽曲を制作したいずみたくをモデルにした作曲家、いせたくやを演じるのが、人気3人組バンド「Mrs. GREEN APPLE(ミセスグリーンアップル)」のボーカル・ギター、大森元貴さんです。劇中ではピアノや歌唱シーンも披露。活動の場を広げ続ける大森さんにお話を伺いました。(取材・文:婦人公論.jp編集部)

「人を明るくさせたい」という思いに共感

<いせたくやのモデルとなったいずみたくは、生涯で15000曲以上を作曲。やなせさんとの「手のひらを太陽に」のほか、「見上げてごらん、夜の星を」など多くの曲を世に送り出す。テレビ・ラジオの劇音楽に携わる一方で、ミュージカル創作にも意欲を燃やした>

ミセスは日常に当たり前に存在している大衆エンタメであることを大切にしています。音楽は、1つの娯楽に過ぎないですが人の心を彩るもの。いずみたく先生の作品や自伝を拝見すると、音楽に魂をかけていろいろな思いを注ぎ込んでいると感じます。純粋に人を明るくしたいと思っているところはミセスと根幹で共通していると思いました。

僕はいま、バラエティやお芝居などいろいろやらせていただいています。自分のなかで幅を作りたい。難しいことを考えているわけじゃなくて、「楽しんでもらえたらいちばんいい」と思っているところも共通しているんじゃないかな。

いずみたくさんが作られた楽曲は、今日に至るまで多くの人に知られてずっと世の中に残っている。たくやを演じることで、自分が今作っているこの曲は、何十年後まで残るかもしれないという意識が芽生えた部分はあるかもしれません。いずみたくさんもやなせたかしさんも、1人の人間として生きた証を残し、その人生が物語になる。それはとてつもないことだと日々感じています。