それぞれが人生の主役

今、とっても楽しいです。充実しています。40歳の頃は忙しくしていましたが、46歳で乳がんになりました。幸い、早期発見だったし、一息ついたことで友だちの存在の大きさにも気が付いた。神様からのプレゼントは友だちだったと思っています。

でもね、友だちを持つって覚悟がいりますよね。自分だけのために24時間使えるところが、友だちのためにも時間を使わなければならない。友だちのために時間を割くなんてそれまでの私にはなかったけれど、会える時に会う、話せる時に話す、ということにシフトしたら、うっとうしいぐらい友だちが増えました(笑)。それまで私だけが主役だったけれど、みんなそれぞれが主役だということがわかった。本気で付き合えるのは本当に幸せです。

私は憂いがある“夫に先立たれた妻”に憧れていますが(笑)、40歳で結婚した9歳上の夫はとっても元気。揚げ物とかけっこう好きで、すぐに買ってきちゃう。「山田邦子のダンナは揚げ物ばかり買っている。家で作ってもらえないんだ」と思われたくないからやめてくれ、と言ってもだめ。だから放っておきます(笑)。結婚するときに骨を触らせていただいて、骨格がすごくしっかりしているのを確認しました。これはかなり頑丈なんじゃないかと思っていたら、その通りでしたね。

若い時に出会っていたら、お互いに悪いところがあっても直して高め合っていこうという気持ちがあったかもしれませんが、ある程度大人になってからの結婚だったので、お互いを尊重することが大事だと学んでいたのだと思います。好きに仕事をさせてくれるのは、本当にありがたいですね。