意次を演じる渡辺謙さんについて

渡辺謙さんが20代の頃に出演されていた『独眼竜政宗』は、僕にとっては大河ドラマの入り口でもあって。それでいて、テレビドラマを初回から最終回までちゃんと見たのは、あの作品が初めてでした。

それだけに謙さんと共演をさせていただけるのはひたすら嬉しくて…。

照れくさくて、ハッキリとは言えませんでしたが、「政宗、全部見ていました」とだけお伝えしました(笑)。

(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

ですので、最序盤こそ勝手に緊張感を覚えていましたが、それも、謙さんのお人柄ですぐにほぐれて。

でも2月ぐらいに行われたインタビューで調子に乗って「謙さんの前では緊張をしている」と言ってしまったら、『べらぼう』に関する記事を謙さんはしっかりご覧になっているようで…。「俺、そんなにプレッシャーだったか?」って(笑)。

謙さんはもちろん、石坂浩二さんもそうでしたが、時代劇特有の居住まいですかね。それを間近で体感できたのは、とても貴重な経験になりました。

これは目に焼き付けておかないと、と収録中もずっと思っていました。それでいて、収録の時間より早く謙さんはスタジオに入られて、事前にセリフを合わせてくださったりする。本当に感謝しかありません。